韓国・大邱(テグ)で10月22日から開催される「Future Innovation Tech Expo(FIX 2025)」は、AI(人工知能)を軸にモビリティ、ロボット、ICT、スタートアップの4分野を統合した大型テックイベントだ。585社が出展し、世界16カ国から87名のスピーカーが登壇する同展は、地域産業の「AIトランスフォーメーション(AX)」を加速させる象徴的な舞台となる。

FIX 2025は「The Future Already Begun, All on AI(未来はすでに始まっている、すべてはAIへ)」をテーマに、DIFA(Daegu International Future Auto & Mobility Expo)、ROBEX(Daegu Robot Expo)、ITCE(ICT Convergence Expo Korea)、Start-Up Arenaの4展示会を統合して開催される。大邱市の産業強化と国家レベルのAI推進策「Regional AX Innovation Project」に連動し、AIによる製造・交通・デジタル産業の再編を狙う。

モビリティ分野「DIFA」では、電動化・自動運転・UAM(空飛ぶクルマ)などが集結。初の韓国展示となる「Xpeng Aero X2」や、駐車ロボット「HL Robotics Parkie」、AI決済システム「T-Money」などが注目を集める。地元企業L&FのEV用LFP正極材やISU PetasysのAI半導体向け多層基板も展示され、次世代車と半導体産業の融合が進む。

ロボティクス分野「ROBEX」では、人型ロボットや産業用自動化技術が主役だ。韓国発の建設・造船用ヒューマノイド「AeiRobot Alice」や、Unitree Roboticsの「Humanoid G1」による“ロボットボクシング”実演など、実用化を見据えたデモが行われる。倉庫自動化を進めるCoupangや、医療・接客ロボットを開発するBear Roboticsも出展する。

「ITCE」ではAI・ビッグデータ・ブロックチェーンの最新技術が披露され、Wrtn TechnologiesやUpstageなど韓国発の独自LLM開発企業が「ソブリンAI(国産AI)」戦略を発表。KTやMegazone Cloudなど大手も参入し、半導体からクラウド、サイバーセキュリティまで国内AI基盤の形成をアピールした。
「Start-Up Arena」では、KOTRA協力のもと53社の海外バイヤーが来場。HD Hyundai、SK hynix、LG Energy Solutionなど大企業との調達相談会を通じて、スタートアップに市場接点を提供する。

併設カンファレンスには、Xpengの共同創業者Wang Tan、Wrtnの李世英CEO、AlphaGo対戦で知られる李世乭氏らが登壇し、AI政策と人間の共創を語る。大邱市は本イベントを通じ、AIを核とした産業エコシステムの再構築を世界へ示そうとしている。
























