韓国・ソウル発のヘルステック企業 Otiton(オティトン) は、“家庭で使える医療”をコンセプトとしたスマート体温計「Doctor In‑Home」を展開し、2025年CESではモバイル機器部門のイノベーション賞を受賞しました。そしてCES 2026に向けて、**ペット向けテレメディスン製品「Dr. Petcare」**を米国とヨーロッパ市場に向けて投入する計画を発表しました。
「Dr. Petcare」の仕組みと特徴
Dr. Petcareは、高感度の体温センサーと動物向け臨床アルゴリズムを備えたスマートデバイスによって、ペットの健康状態を細かくモニターできます。家庭で撮影された体温や画像はAIで解析され、記録データを保存したうえで獣医への判断を支援します。さらに耳の炎症などには、**650nmの赤外線を用いた低侵襲治療(赤外線セラピー)**も可能で、診断・治療・記録の循環を家庭で完結できる点が差別化ポイントです。 
「家庭からできるケア」のメリット
•病院に行くストレスやコストを削減し、ペットや飼い主への負担を軽減。
•データ保存により、症状の経過や変化の把握も容易になり、意思決定に役立つアーカイブとして機能。
•一度購入すれば、1年間のサービス利用権付きで低価格運用が可能。保険会社からも注目されています。  
背景:医療における迅速・家庭内対応への注目
OtitonのDual red近赤外線療法は、科学的にも耳の炎症を緩和する効果が確認されており、家庭内で医療的処置を非侵襲に行える可能性を示しています。こうした技術の普及は、「医療は病院だけのものではない」というパラダイムシフトの兆しでもあります。 
海外展開と規制対応
•FDA(米国)やCEマーク(欧州)の承認取得に向けた準備中であり、国際展開に向けた体制が整備されています。
•すでに、オーストラリア・シンガポール・トルコなど複数地域の販売業者とも接触を進めており、グローバルリーチを視野に入れた戦略です。 
マーケットとしてのテレメディスンの潮流
ペット向けテレメディスン市場は急速に拡大しています。世界で見ても市場規模は数億ドル規模から2030年までに数十億ドル規模に成長する見通しで、ペット所有率の上昇と予防医療ニーズが後押ししています。
総括:「スマートかつ身近なペット医療」の未来形
Otitonの「Dr. Petcare」は、テクノロジーとAIを用いて、自宅での診断・治療・経過記録を可能にするスマート機器として革新的です。米欧市場に先行投入することで、ペットケアの日常化・家庭化を目指す新潮流を牽引する製品となるでしょう。低侵襲/低コスト/高記録性を備えたこのアプローチは、ペットと飼い主双方にとって未来的ケアモデルとしての価値を提供します。