Googleは、Android版Chrome(Canary版139)にて「Material 3 Expressive」デザインを導入しました。この新デザインは、Googleが推進するMaterial 3(Material You)の次世代ビジュアル規範として、より洗練され、個性的で視覚的な魅力を強めたインターフェースを目指しています。将来的に他のGoogleアプリやデバイスへの横展開も視野に入れた試みです。
主な変更ポイント
タブ管理画面の刷新
以前の浮遊スタイルから一転し、各タブやタブグループボタンが明確な枠(「ニッチ」)で囲まれて表示されるようになりました。新規タブを開くボタンは枠付き+カラー付きに再デザインされ、視認性が向上。タブグループでは、従来は名前横に小さく表示されていたグループカラーが、グループ全体を覆う形で表示されるようになり、複数グループの識別性が大きく改善されました。
メインメニューのデザイン強化
「進む」「お気に入り」「ダウンロード」「ページ情報」「更新」といった主要操作ボタンが角丸ボックス内に配置され、選択時には四角形に変化するなど、視覚的なフィードバックが工夫されています。なお、メニューの構成や並び順、セクションはこれまで通りなので、既存ユーザーでも違和感なく馴染める仕様です。 
どんな背景で登場したのか?
Material 3 Expressiveは、「最も研究されたデザイン更新」とGoogleが位置づける新たな試みで、46回の研究、18,000名以上のユーザーを対象にした調査をもとに開発されました。その結果、色・形・サイズ・動きといった要素を戦略的に活用することで、UI要素への認識速度が最大4倍に向上したという知見が得られています。また、Age 45以上と若年層で理解速度が均衡するなど、アクセシビリティ強化にも寄与。 
今後の展開は?
現状ではCanary版の試験的導入ですが、Android 16やWear OS 6などのプラットフォーム更新に合わせて、主要アプリへの導入が順次進む見込みです。すでにGboardやGoogle Wallet、GmailなどにExpressive風のリニューアルが確認されており、今後数ヶ月で広範なエコシステムへの浸透が期待されます。 
総括:控えめでも着実なデザイン進化
ChromeのMaterial 3 Expressive導入は一見些細な変化に見えるかもしれませんが、ユーザー体験を根本から磨き上げる第一歩です。視覚的な明快さ、動きの滑らかさ、アクセシビリティ重視という三位一体の進化が、日々の操作をより直感的に、そして心地よくしてくれます。Androidエコシステムにおける新たなデザイン標準となるこの動きに、今後も注目していきたいですね。