共に韓国の企業であるSamsungとLGは、Samsungの次期有機ELテレビがLG製パネルを使って製造される可能性があるという新たな合意に至ったようです。信頼出来る情報筋は、LGディスプレイが2024年に77インチと83インチのWOLEDパネル200万枚をSamsungに販売する予定であり、それが新しいテレビの生産に使用されるという情報をロイターに伝えました。
Samsung電子は、これらのパネルがどのように利用されるかを公表していませんが、Samsungの既存の「Neo OLED」シリーズと「QD-OLED」シリーズの中間に位置する新しいミッドレンジの有機ELテレビの開発に使用されると推測されています。
両社間のこの契約は、Samsung電子が高評価のSamsung S95C OLED等の独自のQD-OLEDモデルの生産を中止することを意味するものではなく、また、LGエレクトロニクスの「LG C3 OLED」や「LG G3 OLED」といった有機ELテレビシリーズの生産継続を妨げるものでもありません。
有機ELテレビの購入は少し難しくなるかも
ただし、この提携により、Samsungの有機ELテレビとLGの有機ELテレビのどちらにもLG Display製のパネルが使用される場合、その性能に大きな差が無くなる可能性があり、その結果、この種の製品を購入するのは若干難しくなる可能性があります。
LG DisplayとSamsungの提携は、主にここ1、2年にわたるLG Displayの財政難によって推進されました。
追加の資金が必要になったLG Displayですが、主要パネルサプライヤーであるSamsung DisplayがQD-OLEDパネルの生産のみに注力し、LCDパネルの生産を中止したため、より多くのパネルを必要とするSamsung電子にパネルを供給する機会が生まれました。
消費者はテレビに関する用語に慣れる必要あり
LGのこれらのWOLED TVは、QD-OLED TVと競合し、近い将来にはUniversal Diplay(UDC)が開発した燐光青色サブピクセルを採用したPHOLED TVと競合することになりそうです。UDCのアナリストは、これらのパネルは他のOLEDディスプレイと比較して電力効率が高く、焼き付きの懸念が軽減された、より明るいOLED TVが実現する可能性があると予想しています。
Samsung Displayは引き続きQD-OLEDパネルをSonyに提供する予定で、Sony A95L OLEDのようなテレビの生産を可能にします。さらに、TCLは独自のQD-OLED TVの開発に取り組んでおり、これはCESで初めて発表されました。
まとめると、テレビ業界には新しい展開が押し寄せているため、消費者が来年市場をチェックする際にはテレビに関する様々な専門用語に慣れることが有益になるでしょう。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文はこちら