Qualcommは、従来の「Snapdragon 600」及び「Snapdragon 400」シリーズを、2023年のアップデートに向けて準備しています。これらのシリーズは、それぞれ新しく「Snapdragon 6 Gen 1」と「Snapdragon 4 Gen 1」となり、ミッドレンジ及びエントリーレベルのスマートフォンに搭載される予定です。
これは、”次世代”アーキテクチャへのアップグレードであり、ロジックと製造の両方が大幅に改善され、パフォーマンスと電力効率も向上します。
Snapdragon 6 Gen 1
このチップは4nmの半導体プロセスで製造されていますが、SamsungとTSMCのどちらが製造元であるかは明らかではありません。Qualcommは、そのサプライチェーンにおいて多様化戦略を追求してきたため、両社とも製造を行っている可能性もありますが、今のところはわかりません。ただし、現在勢いがあるのはTSMCのようです。
Qualcommは、CPUの高性能コア「A78」を倍増しており、ピーク時のCPUパフォーマンスが大幅に向上することが期待出来ます。同社は、40%高速化すると説明していますが、これは非常に大きなアップグレードとなります。
一方で、高効率コアは4個から6個へと減少していますが、4コアでもバックグラウンドや細かいタスクを簡単に処理することが出来るので、この変更がバッテリー寿命に大きな影響を与えることはないと考えられます。
グラフィックス性能は35%向上していると説明されていますが、GPUに関する詳細情報はほとんどありません。これは、最新のグラフィックスアーキテクチャから派生した低コストモデルのようですが、技術的により詳しい情報は後日明らかになるでしょう。
Qualcommは、統合モデムを従来のX51から「Qualcomm X62」へ刷新しており、より高価なX65が提供する多くの機能を備えています。ただし、おそらくコスト削減のために、キャリアアグリゲーションの性能はわずかに低くなります。
Snapdragon 6 Gen 1のSpectra ISPは、その価格帯ではこれまで利用出来なかった4K/30 HDR動画の撮影をサポートします。
Snapdragon 4 Gen 1
Snapdragon 4 Gen 1はSnapdragon 480の後継モデルで、性能向上は控えめとなっています。Qualcommは、CPU速度が15%、グラフィックス性能が10%それぞれ向上していると説明しています。RAM帯域幅が同じであるため、CPU速度の向上のほとんどは、おそらく従来のA76からA78コアへのアップグレードによるものだと思われます。
繰り返しになりますが、グラフィックスアーキテクチャの詳細はほとんど無く、周波数も明らかになっていません。それが新しいアーキテクチャであることを示す唯一のヒントは、Snapdragon 8 Gen 1の概要で説明された可変レートシェーディング(VRS)の存在です。
このハードウェアプラットフォームは、TSMCの6nm半導体プロセスを使用して製造されます。これは、Samsung製半導体で従来使用されていた8nmの製造プロセスよりも大幅に小型化されています。これまでと同様に、製造プロセスが小型化することはチップのコスト効率化に役立ち、Qualcommは柔軟な価格設定を行えます。
無線関連の仕様はあまり変わっていませんが、それでも5Gチップであり、Bluetoothは以前の5.1から5.2に強化されています。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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