Galaxy S21 Ultraは今の市場で最高の端末

良い点


悪い点


価格/評価


世界クラスのカメラ体験 microSD無し 評価 10/10
究極のAndroidパフォーマンス 価格 $1,199.99~
最先端のデザイン
優れた耐久性

Galaxy S21 Ultraは今年前半におけるSamsungの「ベストオブベスト」であり、最先端のテクノロジーにも関わらず、S21 Ultraの価格はS20 Ultra発売時の価格よりも200ドルも安くなっています。S21 Ultraが実際にどれだけの性能を発揮するのか、この広い市場のどこに位置付けられるのかを確認するために、ユーザーエクスペリエンスを詳しく見て行きましょう。

スペック一覧

製品名 Galaxy S21 Ultra
ディスプレイ 6.8インチ 3200×1440 AMOLED
リアカメラ 24mm 108-MP f/1.8 (メイン)
13mm 12-MP f/2.2
72mm 10-MP f/2.4 +OIS
240mm 10-MP f/4.9 +OIS
フロントカメラ 40-MP f/2.2
プロセッサ Snapdragon 888
RAM/ストレージ 12GB/128GB、12GB/256GB、16GB/512GB
バッテリー 5000 mAh、ワイヤレス充電対応
サイズ・規格 75.6×165.1×8.9 mm、229g、IP68準拠
市場価格 $1199.99~

 

デザイン


Samsungのインダストリアルデザインに関する腕前に不足は無く、今回もやってくれたようです。Galaxy S21 Ultraはいくつかの面で素晴らしいデザインを備えており、以下に説明して行きます。

今回の新しい“ファントムブラック”というマット仕上げは、信じられないほど上品に見えます。何故なら、多くのスマートフォンにおいて美しさの障害となる指紋が殆ど残らないからです。

背面カバーが100%ガラス製か確かではありませんでしたが、どうやらそのようです。S21 Ultra及びS21+は背面に「Gorilla Glass Victus」を採用していますが、「強化ポリカーボネート」が使用されたUltraの保護性能はS21+を上回ります。詳細はこちらの動画で確認して下さい。

独自のテストからそれが機能することは知っていましたが、スマートフォンがどのようにコンクリートの地面に当たるかによってその結果は変わるかもしれません。

一部の報告では、その表面に傷がつく可能性についても言及されているため、油断は禁物です。ただ、もし偶然落としてしまっても、ケース無しでもかなり高レベルなガラス飛散防止性能のようです。

「このデザインは芸術作品」

カメラの出っ張り、モジュールは巨大で、そのデザインがあらゆる撮影能力を非常に良く引き出します。同時に、個人的な意見では、業界内で最も素晴らしいカメラデザインの統合です。

カメラモジュールは非常に大きいため、それを隠すことは不可能で実用的ではありませんが、ただ背面に“塊”があるだけでなく、S21 Ultraは滑らかで流れるように本体の他の部分と完璧に融合します。

Galaxy S20 Ultraと比較して、S21 Ultraは高さで僅かに小さくなっていますが、全体的にホールド性や持ち運び、使い勝手はとても似ています。どちらも大きく重いスマートフォンで、UltraでないGalaxy S21 5Gは大幅に小型で軽量になっています。

Samsungユーザーがより小型で全部入りのスマートフォンを持てないのは少し残念かもしれませんが、どのブランドを好むかに関係なく、業界の流れがそうなっているのです。

Galaxy S21 Ultraは本当に芸術作品のようで、個人的な好みを除いてそれに文句をつけるのは難しいです。もし最高の工業デザイン、製造技術がどんなものか見てみたいという方は、これからお見せしましょう。

本体カラー(Samsung公式サイト限定カラー)

 

どの本体カラーを選ぶかはお任せしますが、Galaxy Ultraの標準カラーはファントムブラックとファントムシルバーとなっています。一方、ファントムチタニウム、ファントムネイビー、ファントムブラウンはSamsungのウェブサイトからのみ入手可能で、公式ページによれば「オーダーメイド」とのことです。

 

6.8インチ ディスプレイ


6.8インチのディスプレイを備えたGalaxy S21 Ultraは大型なスマートフォンです。(iPhone 12 Pro Maxよりも対角線でわずか0.1インチ大きいだけです。) ただし、対角線の数字だけの話ではありません。新しいことではありませんが、Samsungの大型スマートフォンはより細くなっており、iPhoneの同等なものに比べてより持ちやすくなっています。

SamsungがモバイルOLED技術を牽引するリーダー企業であることを疑う余地は無いので、ディスプレイのパフォーマンスは他と一線を画しています。最大輝度は1500 NITで、10~120Hzの可変フレームレートは注目するポイントでしょう。これは他のどの企業よりも遥かに進んでいます。

このような輝度は、晴れた日の屋外でもディスプレイが読みやすいことを意味します。120Hzのスクロールの滑らかさはバッテリーを消耗しません。何故なら、静的なコンテンツを読んだり動画を視聴したりする時ではなく、必要な時にだけ最高解像度の120Hzで動作するからです。

「規格外のディスプレイ性能」

さらにバッテリーを節約するために、ディスプレイには「低温多結晶酸化物(LTPO)」という技術が使われており、電力消費を最小限に抑えることが出来ます。これは高価な技術であるため、その有用性にも関わらず広くは利用されていません。

見たところ、このディスプレイは昨年のモデルよりもカーブが僅かに少ないですが、外観的には周りの細いベゼルと合わせて非常によく似ています。

また、OLEDディスプレイの下にはQualcommの新しい超音波指紋リーダーが内蔵されており、そのサイズは昨年のものに比べて77%も大型化しています。従来機と比較して、より高速で高精度になっているようで、ロックを解除するには指先で軽くタップするだけで十分です。マスク着用が当たり前になった今の世界では、指紋認証というオプションはこれまで以上に便利なものになります。

 

カメラハードウェア


Galaxy S21 Ultraのカメラハードウェアは、多くの部分でS20 Ultraに匹敵します。Samsungは、更に大きなセンサー等に注目するのではなく、オートフォーカスやシャッターラグを超高速にすることで、Galaxy Sカメラのユーザーエクスペリエンスを完成させることに重点を置きました。

Uber HW Cameraのランキングは、S21 Ultraのスコアが201、対するS20 Ultraのスコアが202となっています。S21 Ultraにはいくつかの改良点がありますが、プライマリカメラに光学手ブレ補正(OIS)が無いためスコアは抑えられており、このスコアには複数カメラ等は考慮されていません。

Uber HW Camera 2021年2月5日時点
スコア 機種名
202 Samsung Galaxy S20 Ultra
201 Samsung Galaxy Note 20 Ultra
201 Samsung Galaxy S21 Ultra (SD888)
185 OnePlus 8 Pro
162 Samsung Galaxy S20+
157 Apple iPhone 12 Pro Max
121 Google Pixel 5
120 Apple iPhone 11 Pro
120 OnePlus 8

HW Cameraランキングで考慮されていない最も大きな違いの一つは、新しい3倍ショートズームカメラの存在で、現在はより強力なズームカメラしか計測出来ていません。

「Galaxy Sカメラの完成されたUX」

Galaxy Note 20 Ultraのように、S21 Ultraはレーザーオートフォーカスの恩恵を受けるので、レンズモーターを動かすためのおおよその焦点を素早く把握します。その間にSuper-PDオートフォーカスがAF計算を終了し、モーターを最終的なレンズ位置に向けます。

その高いAF性能はこの2段階のプロセスで説明されており、これによりユーザーエクスペリエンスは大幅に向上しますが、殆どの場合、AFが失敗しない限りその写真の品質には影響しません。

初期のテストでも画質は優れており、Samsung S21 Ultraの夜間のチューニングは、画像フィルタリングが少しやり過ぎだったNote 20 Ultraと比較して、より自然な色に戻ったようです。

S21 Ultraは眼で見ているものに近い写真を撮影するので、快適で予測可能なエクスペリエンスを実現します。時々、Samsungが画像のシャープネスをGalaxy S9時代まで和らげてくれないかと思ってしまいます。

10倍光学ズームの手ブレ補正が改善されたことで、10倍や30倍のズームでも以前と同じように非常に使いやすくなりました。

Samsungは、望遠カメラ用にいくつかの大きく異なるセンサーと光学系のテストを行いました。Uber HW Cameraのスコアは、S21 UltraがNote 20 UltraやHuawei P40 Pro+のロングズームよりも更に強力であると予測しており、現在ある初期のデータがそれが事実であると示唆しています。

S21 UltraのズームがiPhone 12 Pro Maxのものと比較してどうかと何人かに尋ねられました。私の答えは「差があるなんてものではない」です。Galaxy S21 Ultraのスペースズームは他に類を見ません。

「Galaxy S21 Ultraのスペースズームは他に類を見ない」

 

高解像度(4K/60p)で撮影しても、全体的な動画品質は優れています。最大で8K/24pまで解像度を上げることが可能ですが、特に拡張ストレージ等が無い場合、ほとんどの人には有益では無いでしょう。もし、特定の自然の風景を細部まで撮影したいという場合には、それも可能です。ただし、4K/60 対 8K/24のHDR品質には注意が必要です。

Galaxy S21 Ultraのカメラシステムは、当初S20 Ultraのアーキテクチャで思い描かれていたものでしょうが、今回Samsungはそれを昇華させました。

では、完璧と言えるでしょうか?いいえ。時々、画像フィルタが過度な時があります。それでも、全体的にGalaxy S21 Ultraのカメラは素晴らしい写真を撮り、超広角から10倍光学ズーム(およびそれ以上)までの柔軟性を提供し、多くのよりクリエイティブなオプションを提供します。

そのカメラソフトウェアも、多くのオプションを備えています。それを知ったり、使ったりする必要はありませんが、非常に異なるニーズを持つ大衆に対応出来ます。前後のカメラを切り替えながら撮影が出来る「ディレクターズビュー」機能が良い例です。ちなみに、セルフィーカメラはデフォルトであなたを“美化”しなくなりました!

 

ユーザーインターフェース: One UI 3


Android OSの上にユーザーインターフェース「One UI」を備えることで、SamsungはGoogleを待つことなく様々なカスタマイズと機能を統合出来ます。

One UIはGalaxy Noteシリーズで非常に重要なものでした。それでも、Galaxy FoldZ Fold 2は新しいユニークな体験を作り出す際に、ユーザーインターフェースを制御することがいかに重要かを証明しています。

全体的に、One UIはかなり良いと思います。それは、これまでの通りGoogleの“Stock”GUIと比べて、間違いなく少し肥大化しており反応速度も劣ります。使っていない一連の機能をユーザーがもう少し簡単に無効に出来るようになれば良いと考えていました。

しかし、最近Samsungはよく考えられた方法で多くの要素を画面下部に移すことで、大型ディスプレイにおける多くの操作性を改善しました。

また、ディスプレイ、カラースタイル、ダークモード、常時表示といった様々なカスタマイズオプションもり、目が眩むほどです。必要が無い限りほとんど調整しませんが、場合によってそれが可能です。

Samsungの機能で最もクールな機能の一つは「Samsung DEX」です。これは、スマートフォンをディスプレイに接続すると、フルデスクトップモードになりコンピューターのように使うことが出来るというものです。そして、それはワイヤレスでも機能します!普段はUSB-C経由でPCに接続し、モバイル限定のアプリを起動するのに使っています。

 

スピード


米国版にはQualcomm Snapdragon 888*が搭載され、そのパフォーマンスには文句のつけようがありません。Galaxy S21シリーズは、今年の残りの期間でAndroidのハイエンドスマートフォンのパフォーマンスがどのようなものになるかを示す素晴らしい例です。

*Samsungは、一部地域でSnapdragon 888の代わりにExynos 2100プロセッサを採用しています。そちらのテストは行っていないので、当記事の内容は全てSnapdragon版に関するものとなっています。

iPhoneは未だに特定のCPUベンチマークで独走状態です。
しかし、AppleのCPUベンチマークの高さが、ゲーム向けベンチマークでも比例するとは限りません。

ストレージが128GBまたは256GBのモデルには“たった”12GBのRAMしか内蔵されていませんが、512GBモデルは16GBのRAMを備えています。

RAMは通常、パフォーマンスを低下させるポイントではありませんが、多くのRAMを占有するようなアプリを大量にインストールする場合には、その理由から16GB RAMモデルを検討することをお勧めします。もしメモリを使い切ったり、メモリ関連のパフォーマンス低下を感じるようなことが今までになければ、12GBで十分でしょう。

512GBモデルを選択すると良いもう一つの理由は、今回SamsungはmicroSD経由でストレージを拡張出来るようにしなかったからです。microSDに大きく頼っている人にとっては、これは大きな打撃になる可能性がありますが、クラウドストレージのおかげで最近はmicroSDを使う必要もなく、それほど大きな問題では無いかもしれません。

見たところパフォーマンスは素晴らしく、アプリや写真撮影、4K/60pの動画等でラグを感じることはありませんでした。標準的な60Hzディスプレイを使っていたなら、120Hzは非常に滑らかに見えるかもしれませんし、アニメーションやスクロール速度はとても良く調整されています。

このスマートフォンはベンチマーク上のスコアも良いですが、重いゲームをプレイすると、熱の蓄積によって最終的にパフォーマンスが低下することになります。それは至極当然のことですが、嵩張るが冷却性能の高い“ゲーム用”スマートフォンが開発されているのは、それが理由です。

 

バッテリーライフ


Galaxy S21 Ultraには大容量のバッテリーが搭載されています。
そして、発売価格を見ると、1ドルあたりのバッテリー容量は優秀です。

Galaxy S21 Ultraでは、実際の電池持ちは5000mAhのバッテリー容量よりも長くなります。可変リフレッシュレートやLTPO OLEDパネル、電力効率の高いプロセッサ等、その他の非常に重要な要素は全て、このハイエンドスマートフォンのバッテリー寿命を伸ばす役割を果たしています。

現実の世界では、Galaxy S21 Ultraはバッテリー切れの心配要らずで、ビデオゲームをプレイしたり、HD動画の撮影をするような人でない限り、バッテリーは簡単に一日中持つでしょう。

「心配不要のバッテリーライフ」

 

旅行上級者は、必要に応じて常に高速充電技術に頼ることが出来ますが、高速充電用のアダプタは同梱されていない点に注意が必要です。また、Samsung公式の高速充電アダプタは50ドルもします。Ankerのようなブランドなら、よりお手頃な代替品が見つかるかもしれません。

バッテリー容量の進化が非常に遅いことを考えると、既存のハードウェアを用いて、手を抜くことなく問題のある箇所を最適化したSamsungは非常に賢いと言えます。それどころか、Galaxy S20 Ultraよりも少ない電池消費で、より多くのことをより高速に実行することが可能になります。

 

結論


Samsung Galaxy S21 Ultraは、最先端のデザインと最大限の機能を備えています。デザインから素材やディスプレイ、カメラ、パフォーマンス、そしてバッテリー性能まで、Samsungのあらゆるモバイルデバイスの中で最高のものを備えています。

「余裕があれば」と言おうとしていましたが、昨年のGalaxy S20 Ultraの発売価格が1,399.99ドルからだったのに対して、S21 Ultraの価格は1,199.99ドルからと大幅に改善されています。

「Galaxy S21 Ultraは最高のAndroid端末」

 

この価格帯では、主な競合はiPhone 12 Pro Maxですが、iPhoneを持つ理由がiOSならハードウェアで切り替える事は出来ません。しかし、もしiOSをGalaxy S21 Ultraのハードウェアにインストールすることが可能だったら、人々は大騒ぎするでしょう。

つまるところ、iPhone 12 Pro MaxとGalaxy S21 Ultraのどちらも優れたデバイスだと言うことです。それでも、独自のポートでないこと、ノッチが無いこと、ディスプレイ性能、カメラのハードウェア、バッテリー容量、優れた耐性を持つガラスボディやそのフォームファクターという点では、Samsungに軍配が上がります。

現在、Galaxy S21 Ultraは市場で最高のAndroidスマートフォンです。求めているものによりますが、2021年が進むにつれて益々多くの選択肢が出てくるでしょう。しかし、中立的な立場から言わせてもらえば、その結論は明らかです。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

原文はこちら