皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。
世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第17回目は、VAIOの技術が搭載された産業用ドローンを開発するVFR株式会社 代表取締役社長である留目 真伸(とどめ まさのぶ)さんにお話を伺います。
ドローンという新しい産業領域の確立と発展を目指して
VAIOの持っているPCやロボティクスの技術をドローン産業に注入し、ドローン産業を発展させていくためにVFR株式会社は誕生しました。
ドローンはコンピューターが飛んでいるようなものと我々は考えています。
今より更に小型・軽量で高性能なものに、そして高いパフォーマンスを安定して発揮できるように。発生した熱をどうするか、いかに省電力にするか、バッテリー性能・通信性能をどう最適化するか、UI/UXをどうするか、こういった課題はVAIOが今までやってきたこと、挑み続けてきた事そのものです。
ゆえに我々はドローンというものは、製品としてはコンピューターにより近いものであるという認識です。
産業のエコシステムを創る
実はPCやロボティクスの技術を活かしてVAIOはドローン事業にすでに2年前から関わっていました。株式会社ナイルワークスさんという、農業用ドローンのスタートアップのドローン製造を受託し安曇野の工場で製造を行っていたり、株式会社エアロネクストさんと提携して産業ドローンの試作機を作ったりしていました。いずれもVAIOが表に出るものではなく完全な裏方として取り組んでいます。
まだまだ市場もこれから立ち上がっていく時期なのに、既にドローンにチャレンジしているスタートアップと競合しても意味が無い。何故日本のドローン産業が勢いよく立ち上がっていかないのか、我々がどのような付加価値をこの産業に与えることができるか、どういうエコシステムが必要なのか。様々な人たちと対話しながら、我々がドローンビジネスに参入するにあたりこのようなことを考えぬいた結果、機体のコンポーネントや、コンピューティング技術と関連した要素技術を集約して提供していくプラットフォーマーが必要だとわかりました。
今まで培ったVAIOの技術、ケイパビリティを活かし、オープンイノベーションでドローン産業のエコシステム構築を推進していく。それがVFR株式会社です。
ベスト・オブ・ベストなコンポーネントの追求
安心・安全で信頼性の高いオペレーションを実現するためにVAIOが貢献できる要素技術は何か、ベスト・オブ・ベストなコンポーネントとは何か、どのように課題を解決していくのか、といった問いに日々取り組んでいます。
これからドローンの産業化が本格的に始まると、長距離を飛ばす場合、重いものを運ぶ場合、小さく狭いところを飛行する場合といったように、産業用ドローンはまさに、用途別や業態別に多様化して進化していくものと考えています。
VAIOとして要素技術を突き詰めて、ベスト・オブ・ベストなコンポーネントと最適なサプライチェーンを日本のドローン業界に提供していきます。
そういった取り組みの第1弾として、株式会社自律制御システム研究所(ACSL)さんとの提携を発表、用途別産業用ドローンの機体開発において2020年5月より協業を開始し、ACSLさんのビジネスを競争力のある機体でささえていくために、共同開発をすすめています。
詳細はこちら→https://vfr.co.jp/articles/200511-acsl/
日本のものづくりは今でもキラキラ輝いている
私は、ドローン業界は日本が世界でNo.1になれる領域だと強く確信しています。
ご存知の通り、昔ほど日本はハードウェアの領域にアグレッシブにチャレンジしなくなってしまいました。でも実は日本のものづくりは全く弱くなってはおらず、グローバルから見ると今でもキラキラ輝いていることを私はレノボでの経験等から知っています。
ダメだったのは、ビジネスのしかた、エコシステムの作り方です。本質的な原因が正しく理解されないまま多くの日本人は自信を喪失していますが、日本の強さはまさにドローンのような産業にこそ有効です。絶対に勝てる領域です。
単純に信頼性の高いものをつくるというだけでなく、日本には最適なUI・UXを考え、様々な技術を最適な形でパッケージングしていくという強みがあり、これは機能とデザインの両立を強みとするVAIOも得意とするところです。ドローン業界においても、このVAIOの良さを注入してUI・UXを考えたベストなシステムを作っていくことができると思います。
VAIOの遺伝子を受け継いで
独自に開発要素を洗い出しながら、様々な事業者と対話を続け、産業用ドローンのエコシステムの構築を進めています。
ドローン産業が確立し、コンシューマー向けと産業用の境目が薄くなってきた暁には、皆さんがお待ちかねのコンシューマー向けのVAIOブランドのドローンがリリースされるかもしれませんが、残念ながら今はまだその予定はありません。
我々は産業づくりに注力します。スケールするビジネスはエコシステムが大事です。技術的な優位性はあるのにビジネスのやり方が原因で負けてしまった過去の日本の産業の歴史から学び、世界トップクラスのドローン産業のエコシステム創りを、スピード感を持って同時に進めたいと考えています。
「日本のドローン産業が世界トップになれる未来を。」
VFR株式会社
代表取締役社長 留目 真伸
https://vfr.co.jp/
■河上 純二 a.k.a JJプロフィール
ビジネスプロデューサー/パーソナリティ/モデレータ
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