かつてのプロダクティビティ系のソフトウェアといえば、PCやソフトが突然クラッシュして作業中のデータが吹っ飛ぶこともありました。しかし近年ではコンスタントにバックアップを取ってくれる付属ツールがあり、もし不測の事態があってもそこから作業データを復旧することができます。

実際、AdobeのPremiere Proもそのようなバックアップシステムを持っています。しかし、Dave Cooperという名のフリーランサーはこのバグにより何年もの自身の作品データを削除されたと主張しています。

Premiere Proの機能の1つである「クリーンキャッシュ」は、ストレージ容量を空けるためにキャッシュを削除するものです。このキャッシュは、プロジェクトのバックアップ作成に用いられるワークフロー中に一般的に使われるもので、ユーザーは作業完了後にオプションからクリアできます。

しかし、Cooper氏によれば、彼のキャッシュをクリアする過程で、いらないものの削除だけでなく、Media Cacheフォルダやそのサブフォルダに含まれていない数多くのファイルやデータが消えてしまったといいます。

彼の弁護士であるDavid Deal氏は、「消えてしまったファイルは、オリジナルのビデオクリップと彼が編集データの両方でした。フリーランスのビジュアルアーティストにとって、自身と自身が持つものすべてが自身の作品です。もし何も作品がないのであれば、それはビジュアルアーティストとはいえないでしょう」といいます。

Cooper氏は約10万のビデオクリップを失ったといい、それは25万ドルに相当すると見積もっています。Adobeは以前にバグについて告知しており、修正もすぐにリリースしていましたが、Cooper氏が作品を失った後のことでした。

Cooper氏と彼の弁護士は、訴訟前にAdobeと和解しようと試みましたが、拒否されました。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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