米通信キャリアの T-Mobile は、4G(LTE)ネットワークを段階的に廃止する計画を明らかにしました。開始時期は 2026年で、2028年に向けて大幅な縮小を進め、2035年まで限定的に残す方針とされています。今回の発表は、次世代ネットワーク移行の現実味を示すものであり、ユーザーや IoT 端末に与える影響が注目されています。 

⏳ 廃止スケジュールと LTE 周波数の再利用(Re-farming)
T-Mobile 関係資料によれば、2026年1月1日からは新規 LTE/5G NSA(非スタンドアロン)契約の認可を停止する予定です。既存契約も 2035 年以降は延長されない見込みです。 
LTE の主要バンド(B2, B4/66, B12, B71)については、5G NR(n2, n66 など)への再利用(re-farming)が進められます。これにより、LTE サービスは最終的には 1チャネル(5 MHz 程度) のみで運用される形に縮小される見込みです。 
ただし、T-Mobile は LTE ネットワークを完全に消すわけではなく、Legacy デバイスや IoT 向けに限定的な LTE サポートを 2035年まで維持する計画です。 

📱 ユーザーへの影響と対応策
多くの消費者にとって、既に販売されているスマートフォンは 5G 対応機が主流であり、影響は限定的と見られます。T-Mobile は、古い LTE 専用端末を使用しているユーザーに対して、無料または割引での端末交換 を提供する可能性があるとの報道もあります。 
ただし、現時点では具体的な交換プログラムの詳細は公表されておらず、地域・プラン・端末の状況により対応が変わる可能性があります。 
また、事業ユーザー(企業向け回線)は段階廃止の初期段階で影響を受けやすいと見られており、ネットワーク継続性確保のため機器更新が促される可能性があります。 

⚠ 注意点と不確実性
•廃止スケジュールは内部資料ベースであり、正式な公開スケジュールや法的制約によって変動する可能性が残ります。 
•LTE の縮小に伴い、地域によってはカバレッジ低下、混雑の増加、通信速度低下が発生する懸念があります。
•IoT/産業用途などで LTE 専用または LTE をバックアップに使っている機器は、新技術対応や設計変更が求められる可能性があります。
•新たに導入される 5G スタンドアロン(SA)/将来の 6G への対応能力・端末条件も重要な判断材料になります。

✅ 総括:5G 時代の布石、それでも「終わり」ではない
T-Mobile の 4G 廃止計画は、通信業界における技術移行の方向性を示す重要なマイルストーンとなります。5G ネットワークをさらに効率化し、リソースを次世代技術に集中させる上では自然な流れです。
とはいえ、LTE の完全廃止ではなく「縮小維持」の方針を取っている点や、影響を受けるユーザーに交換支援を示唆している点は、移行に配慮した戦略が働いている証左とも言えます。ガジェット好きにとっては、自身の使っている端末・回線仕様・将来性を見直すきっかけとなるニュースでしょう。