皆さんこんにちは。河上 純二 a.k.a JJです。

世界を変えるスタートアップ企業にフォーカスした最新レポートをお届けします。第26回目は統計学とデータサイエンスで、様々な企業のマーケティング課題と向き合い、広告効果向上を実現してきた「株式会社サイカ」代表取締役CEOである平尾 喜昭さんにお話を伺います。


データサイエンスでどうしようもない悲しみのない世界を創りたい

サイカの起業には、私自身の原体験が大きく影響しています。私の父親が勤めていた会社が、私が中学生の時に倒産しました。いわゆる超大企業で第2次バブル崩壊ともいわれる倒産でした。
倒産が現実になると、父親の周りでも不幸な事がいくつか起きていたのを目の当たりにしました。

私の父親は一介の課長だったのですが、会社が倒産することを知ったのは実は倒産する30分前でした。こんな状況では、何も手を打つことも出来ず、受け入れることしかできなかったと思います。子供ながらに「どうしようもない悲しみを解決したい」という想いを自分の中に強く抱くようになりました。

その後、私は大学へと進学し、そこでその後の運命を決定づける瞬間に出会いました。
私の専攻は経済学(経済政策)で、経済施策を打つことで、どれくらいのインパクトが経済にあるのか?というような事を統計分析を用いて研究するゼミに参加していました。その研究の1つのモデルケースとして、以前父が勤めていて倒産した会社が取り上げられました。テーマは「不良債権処理」です。

でもこれは裏を返したら、もし父親の会社がデータを用いて意思決定をしていたら、倒産を避けることができただろうという事に気づきました。データ分析を使うことで、同じような悲しみが起こることを防げるのではないかと。
この技術「統計分析」を世の中に広めていこうと、大学を卒業する2ヶ月前に株式会社サイカを起業しました。


ちなみに、社名のサイカという意味は、辞書を眺めていて見つけた言葉、「才華=華やかに外に現れた才能。また、すぐれた才能」という言葉から採用しました。カッコいい響きも気に入っています。


お客様に教えられて今があります

起業してからというもの、データ分析は今でもこだわってやっています。私達はデータ分析のプロフェッショナルです。

起業した当時は、営業データや財務データの分析をして、コンサルティングを提供していたのですが、こういったソリューションを必要としている人たちというのは、実は蓋を開けたらほとんどの人がマーケッターでした。財務や経営企画、金融関係の人が使うと思っていたデータ分析ニーズは、実はマーケッター側にありました。

理由はシンプルです。各企業ともマーケティング費用として年間、数千万〜億単位の大きな投資をしています。でも、それで本当にいくら売り上がったか?というのは、オンライン広告ふくめてわからないという課題がありました。特にデータサイエンスを必要と感じているのはテレビCMの領域です。なぜなら一番広告費を使っている所ですが、一番成果が見えづらい所でもあります。

まずは目の前の人(お客様)に特化したソリューションつくることが、データ分析の力でどうしようもない悲しみをなくすことにつながるのではないか?ということから、マーケッター向けのオンオフ統合分析ツール「ADVA MAGELLAN(アドバマゼラン※旧:XICA magellan)」を作りました。


ADVA MAGELLANは、「マーケティングミックスモデリング」であり、本来分析には数ヶ月時間がかかる所を、データサイエンスの力でワンクリックで分析出来るようにしました。


XICA ADVA

ADVA MAGELLANの提供領域はPDCAでいうと「C=分析」の領域でした。
ただ、評価してもこの先にあるPlan=計画、Do=実行、Action=改善を代理店さん任せにしてしまうと成果が出づらくなって意味がなくなってしまうという声から、PDCAすべての領域を手掛ける今の形になりました。
CMによってどれだけ事業成果があがったのかを明らかにし、事業成果への貢献が判然としないまま広告費を支払っている状況からの脱却を目指しました。


ADVA PLANNER(アドバプランナー)

その中で、ADVA PLANNERというのはテレビCMに特化したプランニングツールです。エリア別に売上に対してのテレビCMの効果が測れます。売上を最大化するための、エリア間アロケーションを実現します。
たとえば、あるエリアにおけるリーチ目標数値が決まったとします。そのエリアのキー局のどの時間帯で線引きをするべきか、どういう番組のCM枠を買うべきか?効率性がよくて一番確実性が高いプランニングが出来るようになります。


ADVA CREATOR(アドバクリエイター)

ADVA CREATORはクリエイティブ制作に特化したサービスです。
我々は、脳波のデータ、顧客アンケート、客観的なCMの情報(ナレーションありなし、俳優の知名度)などの情報を紐付けさせ、分析出来るサービスをつくりました。
例えば、商品やサービスの記憶・定着につながるための理想的な脳波特徴があり、この脳波特徴を示すCMというのは、出演している俳優をユーザーが知っている状態であるとか、または商品名の提示回数が多かったら良いとか、そういうところを明らかにするサービスです。

僕らはこれを「レシピ」と呼んでいます。
ADVA CREATORは、クリエイティブの素材をこうしましょうというよりかは、素材つくるためのレシピを提案する分析ツールになります。そこに繋がりのあるクリエイターコミュニティーをかけ合わせ「レシピ×クリエイターコミュニティ=クリエイティブブティック」として、再現性高く事業成果につながるクリエイティブを提供することが可能です。


ADVA BUYER(アドババイヤー)

ADVA BUYERはTVCM出稿代理サービスですが、なんと業界初の成果報酬型です。
僕らはデータ分析においては確固たる自信があるので、どうしたら売上あがるか?をシミュレーションすることが出来ます。
なので、事前にお約束した事業成果がでたらマージンをお支払いいただきますが、もちろん事業成果がでなかったらマージンは頂かない形です。これはクライアント側もとても助かる仕組みだと思っています。

広告業界、特にテレビCMはデータサイエンスが行き届いてないという現実があります。データサイエンスを加えたただけで、ROIは倍以上変わります。




「データ分析を民主化し、マーケティングの適正評価を民主化する」
株式会社サイカ
代表取締役 CEO 平尾 喜昭
コーポレートサイト
XICAサービスサイト



■河上 純二 a.k.a JJプロフィール

ビジネスプロデューサー/パーソナリティ/モデレータ
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