米・ハワイで行われているSnapdragon Summitの基調講演で、ハイエンドスマートフォン向けSoC「Snapdragon 855」を発表しました。この基調講演では、AIのパフォーマンスについて多く説明を割いており、スマホ上でもAIの時代が到来したと言えそうです。
Qualcommによれば、Snapdragon 855は、Adreno GPUとKyro CPU、Hexagon DSP(Digital Signal Processor)が協調して作業することで、AIのパフォーマンスが従来比で3倍まで強化されるようです。現時点でハードウェアの具体的な改善点は明らかにしていないものの、競合他社と比較しても2倍のパフォーマンスを発揮できるとしています。AppleやHuaweiが設計しているチップのAIに関するベンチマークは良好だけに、それをさらに2倍した性能は、かなりのものと言っていいでしょう。
またQualcommは、新たなSpectra ISP機能を、初めての「Computer Vision ISP」と位置づけています。これは、オブジェクトを認識するといった高度なAI認識タスク処理ができるSoCとしており、これを高速処理できると誇示しています。もちろん、Snapdragon 855よりはるか前からこうした機能は登場しているものの、必ずしも正しく認識されているとは限りません。
スマートフォンのカメラ機能においてAIがもたらす恩恵は今後広がっていくと有望視されているものの、ユーザーにとって必要不可欠かというとそうではありません。AIが大きな可能性を秘めていることに疑う余地はありませんが、カメラには多くのハードウェアリソースを必要があります。ただ、カメラがオブジェクト認識をして、その先に何をもたらすのか、を踏まえると、この数年の進化と今回の発表は、次世代に向けた礎となる予感があります。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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